マスコミでは報じられない正しい情報をより多くの方々にお伝えしたいという思いから、《中丸薫のワールドレポートVol.37》の内容を特別に公開することにいたしました。

* 中丸薫のワールドレポートは毎月一日に発行されます。

《中丸薫のWORLD REPORT》 Vol.37 2001年11月号 INDEX

◆国際情勢◆
『日本は聖なる国として立ち上がろう』

事件後明らかにされたいくつもの疑問点と、戦争の正当性とは…。
憲法第九条の重みとは…。
◆トピックス◆
『ハワイ島の大自然に抱かれて』

大自然の中で感じたこと

◆交友録◆
『アラン・ドロン(一九三五年 〜)』

不幸な生い立ちの中で培われた感性とは…。




◆国際情勢◆
『日本は聖なる国として立ち上がろう』

米国はアフガニスタンへの空爆のみならず、ついに地上戦に踏み切った。連日流される空爆報道、炭そ菌の恐怖〜今アメリカで飛行機に乗ろうと思ったら、離陸六時間前に飛行場に行き、場合によっては靴下まで脱がされるという厳重なボディチェックを受けなければならない。郵便配達員は手袋をして郵便を配り、市民たちは握手をすることにすら疑心暗鬼になっている。こうした日常が人々の心を蝕まないはずがない。だが、心が不安や恐怖、悲しみに占領されることこそ、人類の未来にとってもっとも憂うべきことだ。こんなときこそ光の方に顔を向けることが大切だと私は思う。

 前号では、あえてテロの真相については触れなかったが、事件後「あれはどういうことだったのでしょうか」という問い合わせをたくさんいただいたので、今号ではテロの真相について触れてみたいと思う。

 テロ事件ではいくつかの不可解な点があった。●ペンタゴンとWTCに勤務していたユダヤ人四〇〇〇人が事件当日休暇をとっていた、●WTCに勤務するモルガンスタンレー勤務者三五〇〇人のうち、行方不明者は五人だけだった。また、ゴールドマンサックスの社員には事前に警告メールが来ていた、●イスラエルのシャロン首相は、アメリカ東海岸への旅行を事件の直前にキャンセルした、●CNNは当初二機目の突入から撮影したと発表していたが、いつの間にか一機目の突入の映像も流れていた、などである。ほかにも、なぜ事件後すぐに犯人のパスポートが(飛行機は焼失しているにも関わらず)出てきたのか、なぜアラビア語の旅客機操縦マニュアルが、見つけて下さいと言わんばかりの場所から出てきたのか、などの点に疑問を持った人も多いだろう。今度のテロは、闇の権力が事前に情報を入手していながら、イスラム原理主義の狂信的な信仰を利用してあえてやらせたものである。

 大統領選の時、私は「闇の権力にとっては大統領がブッシュでもゴアでもよかった。ただ、ブッシュが戦争を起こすことを約束したので、ブッシュに決まった」と本紙で述べた。その言葉を裏づけるかのように、ブッシュは就任後すぐにイラクに空爆をしかけた。ブッシュ政権は今回のテロを機に、アメリカの意にそぐわない国すべてを視野に入れて武力を行使する可能性がある。事実、ウォルフヴィッツ副国防長官は、イラク、イラン、シリア、北朝鮮などをも対象とした戦争の正当性を主張している。

憲法九条はアマテラスが降ろした神託

 やられたらやり返す、という思考回路は、まるで悪ガキのけんかに等しい。けんかの原因はアメリカの中東政策であり、テロリストは闇の権力が生みだしたモンスターである。日本がアメリカに追随することは、悪ガキ同士のけんかに加担し、モンスターを肥大化させるようなものだ。

 今回のテロでアメリカ市民が報復を叫ぶのを見て、イスラエルのある新聞は「これで今日からアメリカ人は全員ユダヤ人だ」と書いた。今回のテロで、シャロン首相は「イスラム原理主義に対抗するために、アメリカはイスラエルに頼らざるを得なくなる」とたかをくくった。だが、イスラエルの意のままに動いたクリントンと違って、ブッシュはイスラエルと距離を置いている。テロ後、FBIはビル崩壊の映像を見ながら歓喜していた挙動不審のイスラエル籍のユダヤ人五人を逮捕した。そしてほどなくして、パウエルは中東和平構想を発表した。この中東和平構想が「パレスチナ国家の創設の容認」「パレスチナ難民の帰還の保証」を基本骨子としたことから、反発したイスラエル軍がパレスチナ自治区に戦車五〇両を進攻させ、多数のパレスチナ人を死傷させている。パウエルは「テロを許したのはCIAなどの機関が情報を十分に収集できなかったからだ」とした上で、「CIAはモサドの下部機関になってしまった」と語ってシオニストを牽制した。だが、アメリカがイスラエル外交に手こずり、一方でタリバンとの泥沼の戦いを続ける限り、国力を落としていくことは免れない。そして、それをどの国よりも望んでいるのがイギリスである。  イギリスは、一方ではアメリカの報復攻撃を支持しながら、他方ではテロを許したアメリカを非難し、決して自国を破滅させるような戦法には出ない。イギリスには、かつてアフガンに深入りしすぎて力を失った大英帝国時代の苦い記憶がある。そういえばかのソ連もアフガン侵攻を機に没落していった。山岳地帯の多いアフガンは、往年の大国にとって地政学的に見て明らかな鬼門なのである。だからイギリスは実戦には深入りせず、特殊部隊の任務を偵察業務に限定するという慎重策をとっている。そして、その一方でブレア首相にロシア、インド、パキスタンなどを精力的に訪問させ、アメリカに代わって国際政治のイニシアチブをとる機会をうかがっている。

 ロンドンはロスチャイルドを代表とする国際金融資本の総本山であると同時に、ビンラディン一派の拠点があるところでもあり、明らかになっているだけでも王立スコットランド銀行やバークレー銀行がイスラムネットワークへ多額の資金援助をしている。また、人道援助を表向きの使命としながら、実際にはテロ支援を行っているNGOにも、ロンドン・シティの資金やソロスの資金が流れ込んでいる。彼らには、ユダヤもイスラムもない。ただ争いが金になるということだけに関心がある。

 そんなこととも知らずに、聖戦に命を捧げる人々は後を断たない。やられたらやり返す、という戦いに終わりはない。イスラムの人々の心の中には、シャロンがまだ国防大臣だった頃、彼がパレスチナキャンプの一七〇〇人を、またベイルートの一万八〇〇〇人を虐殺したこと、そしてそのバックに常にアメリカがいたことが鮮明に焼き付いている。これに終止符を打つには、戦いの当事者とは関係のない第三者が仲介に入ることしかない。その適任者は、恒久平和を国是とし、アメリカに強い影響力を持つ日本しかないのではないかと思う。最善の中東政策は、一九六七年に国連が決めたイスラエルとパレスチナの国境に立ち戻ることだ。日本はそのことを世界の国々に伝え、国際世論を導く役割を果たすべきではないだろうか。

 一九四五年、昭和天皇はマッカーサーに「私の身はどうなっても構わない。日本は再び戦争はしない」と語った。この言葉にマッカーサーは感銘を受け、その深い感動を「私は神を見た」という言葉で表現した。そして恒久平和が日本の歩むべき道として定められ、憲法第九条が生まれた。これは偶然でも、GHQの思惑でもない。アマテラスが天から降ろした、いわば神託とも言える条文なのである。私たち日本人はそのことを決して忘れてはいけない。日本はこれから聖なる国として立ち上がるのだ。混とんは四〜五年は続くかも知れない。その間に霊的に目覚めた人が中心となって、日本人の意識改革を先導する。確かに暗い話は多い。だが、心まで打ちのめされてはならない。ひとりひとりの心に宿る神を信じ、神と直結する思いで日々をすごせば、いつかこの世は浄化され、地球は愛と調和にあふれた星に必ず生まれ変わるのだから。

 


◆トピックス◆
『ハワイ島の大自然に抱かれて』

九月下旬からハワイ島のあるコンドミニアムに滞在している。目の前にはエメラルドブルーの海が広がり、一日中寄せては返す波の音が響く。後ろをふり返ると、こんもりとした緑に包まれた丘がなだらかな曲線を描き、そよそよと流れる風が頬を心地よくなでる。ここはハワイの中でも特にエネルギーが高く、点在するボルテックスのおかげで台風までが避けて通るらしい。

 と言っても、このようなすばらしい地を以前から知っていたわけではなく、ニューヨークのテロ後、ふとインスピレーションが湧いてたどり着いた先がここだったのだ。周りには、同じように直感に導かれて集まった世界中の人たちが、自然と一体となった生活を満喫している。ひと昔前、霊的に目覚めた人たちが集まる地と言えばセドナだったが、今やハワイがとって代わろうとしている。直感で動くと新しい展開が始まるものだ。

 つい数日前、ご近所の方々に呼ばれてささやかなパーティーに参加した。参加者は国籍も人種もさまざま。それぞれが絵やガラス細工、陶芸、彫刻、文筆などの表現手段を通じて愛と調和を表現し、お互いに魂の絆を深めあって生活しているのが印象的だった。まだこの地へ来て間もない私を、「あなたが来るのはわかっていました。待っていましたよ」と、まるで古からの友人のように温かく迎えてくれた。来てから約一カ月。私の中で、かねてからビジョンを持っていた世界平和センターを「この地につくろう」という思いがふつふつとわいてきた。

 世界平和センターと言っても、立派な建物をつくるという構想ではない。自然の中で、世界中から集まった人々が黙考し、魂の絆を深めあい、人間復興のための自分の使命を再確認する、「世界中の光の天使が羽を休める場」のことである。ここへ来てからというもの、私はあらゆること、あらゆる人に感謝の念がわいてきて、あの人にもこの人にも感謝したい気持ちになった。嫌いな人もいなくなったし、気にかかることもなくなってしまった。この地の持つ平和な波動が、私の内にある神意識を感化し、自然とそのような気持ちにさせてくれるのだろう。ここならば、憎しみと争いに満ち満ちた世界からひととき逃れ、神と一体になる幸福感を味わうことができる。世界を平和で満たすには、ひとりでも多くの人が人間らしい感性を取り戻すことが必要だ。宇宙のエネルギーに満ちたこの地なら、それが可能だと思うのである。

 ここへ来てから気がついたことがある。「台風の中心にいれば吹き飛ばされないけれど、中心から飛び出したらあっと言う間に吹き飛ばされてしまう」と。今の世の中はまさに台風が荒れ狂っているかの如き混とんを呈している。それに翻弄されていたのでは、その混とんに巻き込まれて自分も世界も吹き飛んでしまう。だが、混とんに心を奪われず、ひたすら神と一体になって歩んでいれば、どんな混とんも私たちを揺るがすことはできない。私たちを揺るがすものがあるとするならば、それは私たち自身の心に潜む、不安や恐れや憎しみであり、神との乖離である。たとえ世界がズタズタに引き裂かれても、心さえ引き裂かれなければ、世界は再び光の時代を迎えることができる。それを信じて、光の方だけに顔を向けて歩んでいこうと強く思った。

  今必要なのは、ひとりひとりが心の奥深くに入り、自分が抱えてきたビジョンを掘り起こすこと、これしかない。そして浮き上がってきたビジョンは、迷わず実行することだ。 私はこれまで、そうやって心に浮かんできたことに忠実に従ってきた。山梨の中学から東京の小石川高校へ進んだこと。当時は日本人が珍しかったコロンビア大学への進学を決め、着いた数日後に総長に直訴して「東西文化交流会」をつくったこと。大学卒業後に三井物産から小さな機械会社の世界戦略を依頼され、何の経験もないのにスイスに働き掛けて国際会社を設立したこと。これらは今ふり返ると、すべて私の人生のビジョンである「世界平和」へと連なっている。人脈も経験もないのにすぐに行動に移す私は、他人から見るとあるいは突拍子もなく映るかもしれない。だが、私にはいつも成功の確信があった。それはひとえに、神と一体になってやっているという実感があるからであり、自分の使命に関係することだという確信があるからである。目の前に現れたビジョンで成就しないことはない。ビジョンは必ずあなたの使命に関係しているのである。

  旅をしたり、何か新しい体験をしたり、誰かと出会ったとき、ふっと心が刺激されることはないだろうか。そんなとき、そこで出会った人やできごとや場所は、きっとあなたの今生での使命と関係がある。私はそんな瞬間を大切にこれまでの人生を歩んできた。その刺激に心を研ぎ澄ませば、過去世での記憶が呼び覚まされる。大事なのは、心を透明にして刺激に敏感になることだ。「忙しい」という字は「心を失う」と書く。こんな時代だからこそ、時には思い切って旅に出て、心をクリアにすることも必要ではないだろうか。

 


◆交友録◆ アラン・ドロン(一九三五年 〜)

目の前に現れたドロンは、『高校教師』の役づくりのために無精ヒゲを伸ばしていた。もう四〇に手が届こうかという年齢。年相応の経験を重ね、円熟味を増したひとりの俳優の姿がそこにあった。

 「私は一度も両親が一緒にいるところを見たことがないんです」

 不仲だった両親は彼が四歳の時に離婚。両親や親戚の家をたらい回しにされた彼は、十七歳で軍隊に入り、ホーチミン軍とフランス軍が激しい戦闘をくり返すインドシナに飛び立った。

 「そこではこの世の悲惨という悲惨をすべて味わいました。でもそこは家から二万キロも離れていて自由があった。死んだら死んだでよかったんだ」

 スクリーンで見せる彼独特の暗さは、彼の生い立ちの中で培われたものだった。フランスに戻ってからは、あてもなくさまざまな職業を転々とする。そして、ひょんなことから映画監督イブ・アレグレ夫人と知りあい、その美貌が買われて映画に出演。あっという間にスター街道を上り詰めた。

 私生活では、ロミー・シュナイダーと婚約するもその後解消、ナタリー・ドロンとは一子をもうけながらも離婚。愛に恵まれなかった幼少時代を過ごした彼にとって、彼女たちは平凡な家庭を育む伴侶にはなりえなかった。

 インタビューの最中、彼はふいに私の手を取り、隣室に引っ張っていった。  「見たい映画があると、フィルムを借りてきてここで繰り返し見るんです。クロサワ作品も何本も見ましたよ」

 普段は決して他人に見せることのないその部屋は、その時すでに自らプロデュースを手がけていた彼の創造力の源だった。

 「私は、デビューにしても、優秀な監督にめぐりあったことにしても、ただ『運が良い』と評価されるのは心外です。どんなにつまらない映画のチョイ役でも、優秀な役者は必ず見出されます。私は私なりに素質があったと思うし、一作一作に全情熱を傾けてきたつもりです」 人間はどんな美形に生まれついても、悩みと無縁ではいられないのだ。

 


以前のワールド・レポートは、「過去の更新情報」の中に入っています。



TOPごあいさつ活動のあゆみ未来への指針プロフィール『太陽の会』ご案内入会申し込みワールドレポート最新情報