真の平和を願い世界各国を歴訪
「世界はいつか、あらゆる宗教を乗り越えて一つにならなければならない」
「人間とは何か?」
この3つの問いかけが、つねに私自身の“真実の探求”を導いてきました。
しかし、彼らの願いや努力もむなしく、世界情勢がいっこうに変わっていかないのはなぜでしょう。どの国のリーダーも一人の人間としては平和を願っているにもかかわらず、見えない糸に操られるかのように国と国が対立を続けていたり、輝かしい富と名声を築き人々からの敬愛を集める世界的スターも、プライベートでは大きな孤独感を抱いていたり…。そのような現実に矛盾を感じるたびに、先の3つの問いかけが繰り返され、自らの内側を見つめる機会となったのです。
多くの方々と出会い、語らい、心を通わせあう中で、国籍や民族、宗教、イデオロギーなどの違いがあっても、「人はみな深いところで繋がっている」と実感する瞬間が何度もありました。そして、たとえ人格や生き様、生きる環境が異なっていようと、すべての人の内側に“太陽の光”が輝いているのを知りました。それは“真の愛”“神の部分”あるいは“良心”“叡知”とも表現できます。実は、自らがその存在に気づいているかいないかの違いがあるだけなのです。 |
精神性に目覚め真実を探求する旅へ
私の人生において大きなターニングポイントと言える1976年のこと。私はある精神的指導者と出会いました。そして、いつもいつも心の中で繰り返されていた、人生の意味や魂のテーマについて理解する、的確な導きをいただきます。すでに亡くなっていた父の魂が、天上界にある今もなお娘の行く末を見守っていると伝えられ、魂は永遠であることを実感したのです。
さらにその後、私は大変貴重な体験をします。アラブ首長国連邦を訪れザイド国王との謁見を終えた後、なぜか急に祈りたい気分になり浜辺に出て腰を降ろしました。心を静め、3つの問いかけを思い浮かべながら黙想していると、突然、海を引き裂かんばかりの雷光が走り、すさまじい音と共に雷が辺り一面に次々落ちてきたのです。不思議と恐怖は感じず、私はさらに神にすべてを託してひたすら祈り続けました。
帰路の車中で、心の奥深くから声が響いてきました。
「天はあなたに光を与えたと言っています。これからあなたは、自らの使命である“世界平和とワンワールド”に向かって流れをつくっていくでしょう」
この霊的体験をきっかけに、つねに神の光に守られているという確信を得た私は、「これからの人生は、自らの使命と役割を全うするためにこの身を捧げよう」と決意しました。 |
ニューヨークで平和活動の核作りに成功
1989年5月、私はかねてからの念願だった『世界平和のための国際シンポジウム』をニューヨークのプラザホテルにて開催しました。実はこのときの体験も、自らの限界にチャレンジし、ライフスタイルを転換する大きな学びとなったのです。
「どうせ物はあの世へ持っていけるわけじゃないし、ビジョンをめざして頑張ろう」と家族に励まされ、数々の思い出がしみこんだ邸宅も事務所も思いきって手放しました。おかげで物質に対する執着から解き放たれ一気に身軽になった私は、不思議と身体の奥底からエネルギーが湧いてくるのを感じました。それ以降は、シンプルライフに徹することで、ますます精神的な強さや真の安らぎが得られることを実感したのです。
幸い2日間に渡ったシンポジウムは、世界各国から大勢の方々が集まり、大成功を納めました。国連の一室において100カ国を越える記者団を前に開いた記者会見では、「世界平和とワンワールドを求めて」をテーマに、精神的な人間復興をめざす活動についてアピールし、多くの方々の賛同を得たのです。
同一民族でありながら、未だに冷戦状態にある南北朝鮮。時代的・政治的背景のもと、両国が断絶を余儀なくされている現状がある限り、世界の人々の心が一つに結ばれていくことは難しい。
このように平和へ向かう確かな流れを実感する一方で、あるとき私は、事情に通じた信頼できる人々からの情報により、財力・政治力・軍事力を駆使して世界を支配しようとする<闇の権力>の存在を知ることになります。 | ||||||||||