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マスコミでは報じられない正しい情報をより多くの方々にお伝えしたいという思いから、《中丸薫のワールドレポートVol.19》の内容を特別に公開することにいたしました。
* 中丸薫のワールドレポートは毎月一日に発行されます。 |
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◆国際情勢◆
『南北朝鮮トップ会談が決まって思うこと』来たる六月二十五日に南北朝鮮のトップ会談が実現することになった。もちろん、まだ手放しでは喜べない。両国の統一を願わない勢力が工作を仕掛ける危険性もあるし、韓国外務官僚の口から
「金正日を倒してからでないと、統一は無理だ」という発言をこの耳で聞いているからだ。両国にはこれまでも対話のチャンスはあった。たとえば一九九四年である。しかしこの時は金日成氏が急逝して実現しなかった。両国から国賓として度々招かれていた私は、両国の政府高官がともに南北統一を夢とし、そのために腐心しているのをずっと見てきた。日本語が読める金大中氏は私の本をすべて読んでくれているし、金正日氏も私の著書を翻訳して読んでくれている。寡頭権力が存在することも、そのことが同じ民族を分断させている元凶だということもお互いよく理解しているのである。にもかかわらずなかなか対話が実現しなかったのは、大国の思惑に翻弄される両国の政治的な立場やアジア経済破綻の影響で、意志疎通が思うに任せなかったことに起因している。
南北朝鮮の関係が新たな局面を迎えたのは東西冷戦後だった。冷戦終了で両国のイデオロギー対立も解消するかと思いきや、事態はまったく反対の方向へ進み始めた。ソウルオリンピックでますます経済力と国際的な発言力をつけた韓国は、一九八〇年代後半から社会主義国との関係改善に取り組み、九〇年には旧ソ連と、さらに九二年には中国と国交を回復し、いわゆる「北方外交」を積極的に進めた。しかし、これが北朝鮮を孤立へと追いやり、核開発に向わせる要因になってしまった。また、エネルギーや食糧などを旧ソ連に頼ってきた北朝鮮にとって、旧ソ連の崩壊が政治的・経済的孤立を一層強めるきっかけになったことは言うまでもない。
韓国はこの緊張を解決するために、金泳三政権から金大中政権に渡って、宥和政策を打ち出してきた。金泳三政権では「三段階統一方案」が北朝鮮政策の柱となった。これは
(一)経済交流の促進、(二)南北連合の形成、(三)統一、という三段階で南北統一をはかるという案であり、あくまでも一大統領を主張するものであった。しかし、金大中政権ではこの案は一時放棄している。「一大統領」に固執している限り、北との対話が進展しないからだ。「三段階統一方案」のうち「経済交流」はめざましい進展を遂げた。韓国の北朝鮮への輸出はピーク時の九五年には二億三〇〇〇万ドルを超え、北朝鮮側も羅津(ラジン)や先鋒(ソンポン)の自由貿易地帯の開発を推進するなど、積極的に韓国との交流を進めた。結局この進展も、韓国側の規制緩和や、北朝鮮側の受け入れ体制の問題など、政治的な問題に直面してスローダウンを余儀なくされているが、金大中政権の「太陽政策」では引き続き経済交流に力が入れられている。「太陽政策」は、政治的な統一をひとまず白紙に戻し、経済政策や観光などの人的交流を推し進めることを優先している。この政策は、現在までのところ、韓国を代表する財閥・現代グループが北朝鮮の金剛山開発を進めるなど、一応の前進をみている。
◇南北対話を遅らせてきた米国の「中国包囲網」しかしこうした両国の歩み寄りも、米韓関係、米朝関係、日米関係、中韓関係、中朝関係などが複雑にからみあい、事態は複雑だ。
例えば米韓関係である。米国は一応「太陽政策」を支持しているが、議会には強硬派も多く、次期政権が引き続き太陽政策を支持するかどうかは微妙である。というのも米国は金泳三時代、韓国の「三段階統一方案」に対し、北朝鮮の「一括妥協案」を支持し、「米国は北朝鮮に有利な外交を展開するのではないか」という韓国側の疑心を駆り立てた。米韓は他にも貿易摩擦の問題を抱えていたし、近年では米国主導のIMF政策に国民感情が強い反発を示している。韓国は朝鮮戦争以来、米軍基地を有し、米国と軍事同盟を結ぶ関係でありながら、両国の関係は決して盤石とは言えないのである。金大中政権になって、日本やロシアを加えた「六カ国共同宣言構想」によって南北対話を推進しようとする動きもあり、これも米国には面白くない。
また、中韓関係も複雑だ。中国と韓国は貿易国として深い関係があり、韓国にとって中国は米国に次いで二番目の輸出国となっている。しかし韓国の経済破綻で中国にも大きな影響が出たばかりか、中国は外交上も難しい立場に立たされ、とてもアジアのリーダーとしてイニシアチブをとれる立場にはない。中国は北朝鮮にエネルギーや食糧で援助を続けてきている。韓国としては朝鮮半島問題のイニシアチブを中国にとってもらいたいところだろうが、今の中国は国内外に問題が山積みで、とてもそのような状態にはない。
こうして見ると、闇の権力が米国の覇権を利用して、アジアの結束を打ち破るかのように安全保障に介入しているさまがよくわかる。日米ガイドラインも、ユーゴの中国大使館誤爆も、ロスアラモス研究所のハイテク技術スパイ事件も、台湾・チベット問題も、すべては「中国包囲網」である。もしこれらがなければ、朝鮮半島問題のイニシアチブを取るのはアジアの大国、中国であるべきだっただろう。
そしてもうひとつ、朝鮮半島問題の解決を遅らせているのがアジアの経済破綻である。特に韓国とロシアがIMFの軍門に下ったことは大きい。日本と共にアジアの経済成長を牽引してきた韓国の経済が破綻し、韓国の財閥が欧米企業グループに安く叩き売られたことは、南北朝鮮の統一にかかるコストの負担能力を著しく低下させた。北朝鮮に輸出を続けたロシアも、IMF介入後は経済的にも政治的にも破綻している。闇の権力は、政治・経済両面から、アジアの協調と連携を脅かしているのである。
南北朝鮮が描く統一像には確かに大きな隔たりがある。韓国は一人の大統領を主張し、北朝鮮は一国二制度を主張している。しかし今はまず両国が人的交流、経済的交流を深めることが先決だろう。これまで両国は予算の二〇〜三〇%を国防に費やしてきた。韓国は現在総兵力六十五万五〇〇〇、装甲車三〇〇〇両、戦闘機六〇七機、潜水艦二十六隻を保有し、一方の北朝鮮は総兵力一〇五万四〇〇〇、装甲車二一三〇両、戦闘機四六一機、潜水艦一四隻を保有している(ミリタリーバランス九八〜九九年)。これだけの兵器があの小さな半島に配備されている。これからは国防費ではなく、両国の発展のためにその予算を使って欲しいと心から思う。
北朝鮮は今どき珍しく、ハンドバッグを放置しても平気な国である。以前本紙でも紹介した、夫が緊急入院したVIPのための病院では、院長がほかのスタッフと一緒になって草むしりをしていた。そこの医師は「私は貧農の生まれだけど、国費で医師の夢をかなえてくれるこの国はありがたい」と言っていた。彼の五人の兄弟は二人が医師に、三人が外交官になったという。もちろんすべて国費で、である。北朝鮮には日本人が失ってしまった礼節や勤勉さがある。ホームレスもいない。私は北朝鮮の制度が完全だなどとは思っていないが、南北朝鮮がお互いのいいところを持ちよって、統一と発展を実現することを願ってやまない。
◆トピックス◆
『民意が変わらなければ政治は変わらない』つい昨日までテレビカメラの前に立っていた総理が、あっという間に政権の座から消えてしまった。一国の総理がいなくなったからといって、世の中は昨日と同じように変わらず動いていく。命と健康を削って、なんとあっけないことかと思う。
小渕さんとは昔から親交があった。まだ大泉に私の自宅がある頃、よくホームパーティーに姿を現したものだった。「細かなことによく気がつく人」という印象がある。小渕さんは私の本も読んでくれていた。だが総理在任中の行動を見ていると、闇の権力に気に入られるように私の本を活用したのでは、と思うくらい、日本の重要な意思決定を強引に国会通過させてしまった。日米ガイドライン法案はもとより、戦後最大の国債発行、住民基本台帳法など、あたかも闇の権力の手先かと思うくらいに次々とやってのけた。住民基本台帳法などは、人民にマイクロチップを埋め込んでそのすべての行動を管理するという、闇の権力の恐るべき未来図の伏線となるもの。人体用マイクロチップの生産は大量生産できる体制にあり、すでに徘徊老人や、こどもの迷子防止に使っているところもある。自治体ではすべての個人情報を内蔵したIDカードの実用化がすすんでいることを考えると、強引な法案通過がいかにも不気味に見えてくる。
最近ホテルオークラで日米欧委員会の会合が持たれた。特に日米間の会合はその後も密に行われた。日本が重要拠点である理由は、アジア戦略上の基地になるという地理的な条件だけでなく、豊富な個人資産、経済力、技術力を有し、かつ霊脈があるからである。日本の霊山と言われる山にはロックフェラー一族を始め、多くの白人が訪れているが、彼らにはいわゆる「霊能者」が付いていて世界中のエネルギースポットをマークしている。金融・自動車・医薬品産業などの業界再編が進み、トップが青い目の人たちに入れ替わるのと並行して、日本の霊脈もまた青い目の人たちに見入られようとしているのである。
そんなこととはお構いなしに、私たちの日常は「株ブームの再来だ」といって浮かれている。だがこの株ブームこそ、ジャパンマネーを吸い上げる元凶である。これまで政府の低金利政策で調達されたジャパンマネーは、米国のマネーゲームや国債の原資となり、米国の好景気の原動力となってきた。金融ビッグバンもそのための「業界再編」だった。しかし不思議なことに、日本人の個人資産は外資系金融機関が思ったほどには動かない。相変わらず日本の金融機関に留まったままだ。そこで今度はそれを株式市場を通じて吸い上げようというのである。低金利政策を背景に、日本人が二重にも三重にも米国に貢いでいる様子を見て、米国の友人は「日本国民はよく暴動を起こさないね」となかばあきれ顔だ。IT関連の「ベンチャー育成」もいいが、今のITベンチャーにグローバルスタンダードを取れるほどのインパクトを持つ技術があるだろうか。新規公開企業の顔触れを見てもしょせんは虚業であり、マネーゲームの対象でしかない。元来ものづくりの得意な国民が創意工夫や技術革新を放棄することは国力低下につながる。そしてもしも株価が暴落したら、日本の富はまたもや闇の権力の懐に露と消える。現に今すでに株価が落ち始めているではないか。私たちはこうしたことをよく考えたうえで、景気の動向を見守る必要がある。
ただ、日本を壊滅的な状態に陥らせることは闇の権力にとっても得策ではないので、米国に見切りをつけた時点で、徐々に覇権を日本に移すと思われる。今は日本の国民と国土が闇の権力の意のままに動かせるよう、来たるべき日に備えて、人心と産業界の地ならしをしている時、と私は見ている。
この秋には米大統領選が行われる。闇の権力はブッシュ、ゴア両陣営に資金提供をしながら、ややブッシュに傾きつつある。シオニストの利益代表としてユーゴの爆撃などでやり過ぎたゴアは人気が低下しているし、ブッシュのブレーンは、闇の権力に都合のいい人材が固めているからだ。これからの選挙運動では、マスメディアを使って、ブッシュびいきのプロパガンダが盛んになるであろう。闇の権力が次期政権を使って、どのように対日戦略を出してくるかは今後慎重に見守りたいところである。
日本でも近い将来総選挙が実施される。私はもはや日本の政治家には失望しているが、これも国民が選んだ代表だということを考えると、まずはひとりひとりの意識改革が先決だと思う。自分の業界、自分の地域の利益の代弁者として国会議員を政界に送りだすという日本国民の精神構造が変わらない限り、日本の政治は変わらない。私自身はあと二〜三回の選挙を経験すれば、本当に民意を代弁する若手の政治家が出てくるのではないかと期待しているし、またそうなるべきだろうと思っている。今中国ではネズミの大量発生など飢饉の前触れのようなことが起こり、ロッキー山脈では水脈が枯渇し始めるという兆候が出てきている。人災、天災を含めて、日本にもさまざまな困難が降りかかるだろうが、いつも言っているように、心を浄化し、宇宙と共鳴して生きていれば、どんなことがあっても恐れることはないのである。
◆交友録◆ シャーリー・マクレーン シャーリーの自宅はニューヨークのイーストサイドにあった。約束の時間に少し遅れて現れた彼女は、上下黒のレオタード姿だった。「ジムに行ってたの」という彼女の汗びっしょりの姿からは、夢をつかんだ女性がさらなる極みにむかって努力している日常が垣間見えた。
最初に彼女に会ったのは一九七〇年代の始め。彼女はすでにスターへの階段を昇り始めていた。自伝「Don't Fall Off The Mountain( 風を追いかけて)」には、女優を夢見た少女時代から、スターへの道のり、そしてインド、アフリカ、日本、ブータンへの旅が綴られていた。スターへの道のりを支えた夫とはその時すでに別居していたが、ふたりとも日本が大好きで、愛娘には「サチ」という名前をつけていた。
「主人の前世は良寛さんね。私はその恋人だったのよ」
彼女はそんなふうに自分を紹介した。会って数分と経たずに、私たちは輪廻の話に花を咲かせていたのである。私のインスピレーションでは、私と彼女は一五世紀イギリスで縁があった。
当時の彼女はまだスター特有の華やかさと豪華さを好んでいた。ボーイフレンドに囲まれ、芸能人との華やかな噂も堪えなかったが、やがて霊的指導者に導かれ、その体験を「アウト・オン・ア・リム」、「ダンシング・イン・ザ・ライト」などの著作にまとめたのはあまりにも有名だ。霊的なものに目覚めてからの彼女は、マリブのような静かな場所を好んだ。内面が充実した彼女は女優としても磨きがかかり、一九八四年には「愛と追憶の日々」でアカデミー主演女優賞に輝いている。
彼女の霊的体験は、チャネラーに導かれての旅だった。日本人である私は自分自身で瞑想をして自分探しをする方法を好むが、彼女とはまたゆっくりあってみたいと思う。そして自分の霊的体験を広めるという、共通の使命について語り合ってみたい。
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