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《中丸薫のWORLD REPORT》創刊準備号INDEX
◆国際情勢◆ 『世界の識者は真の世界平和を求めている』
7月、ウィーンで開かれた芸術の集いに出席。国際政治の最前線で活躍する学者たちと、真にあるべき世界情勢について語り合う。この旅で得た新たな情報と明るい未来への考察とは…?
◆トピックス◆ 『小渕政権誕生で進む日本の弱体化』
国民の期待を裏切る形で誕生した小渕政権。景気回復の見通しも立たず、100兆円単位で緊急経済対策が論議される中、膨大な借金を背負わされる日本がこれから歩むであろう道とは…?
◆コラム◆ 『日本人に生まれるということ』
今この時代に私たちが日本人として生まれている意味、そして果たすべき役割とは…?



◆国際情勢◆【ウィーン報告】
『世界の識者は真の世界平和を求めている』

 月1日から一週間、ひさしぶりにウィーンへ行ってきた。長い歴史を誇るウィーンのすばらしさは圧巻で、有形・無形の祖先の遺産に対するヨーロッパ人の誇りと敬意の高さを彷彿とさせるに余りあるものだった。
 格調高い芸術に包まれた数日間は「世界はいつかあらゆる宗教を超えてひとつになる」という私の信念に新たな確信を与えてくれた数日間でもあった。特に国際政治の面で著名な学者と、真にあるべき世界の情勢を語り合えたのは貴重だった。

 そのなごやかな歓談の中で、たまたま話題が私の著書のことになった。現在「闇の世界権力構造と人類の針路」は英訳でも出版されているが、それを読んだという人たちからは、「よくあのような内容のものをお出しになりましたね」という賞讃と驚きの入り交じった評価をいただいた。世界の権力構造を熟知している彼らにとって、あえて出版に踏み切った私の決断は命知らずとも、英断とも映るらしい。
 中には真剣に私の身の上を心配してくれる人あり、母国語で訳したいと申し出る人ありで、国際政治の最前線にいる多くの人たちが真実を広く世の中に伝え、真の世界平和を実現させたいと願っていることを感じることができた。そして、マスメディアで報じられるニュースと現実との乖離をそこにいる誰もが切実に感じている様子だった。
 えばこんな話が出た。
 最近、リビアのカダフィ大佐が半生を振り返ってエッセイを出版した。そしてその本の前書きを書いたのが、レーガン大統領時代の補佐官、ピーター・サリンジャー氏だという。周知の通りレーガン大統領時代のアメリカとリビアは激しい敵対関係にあった。世界各地で頻発する国際テロの黒幕はカダフィ、というアメリカの主張にリビアは猛然と反発し、アメリカの度重なる空爆に対抗していた。
 そのアメリカの大統領補佐官がカダフィ半生記の前書きを書くとはどういうことか。
 サリンジャー氏は当時、リビアによるアメリカへのテロを調査する責任者として、この事件の徹底追及を指揮する立場にあった。ところが、調査が進めば進むほど、このテロにリビアが関与していないことが明白になり、代わってシリアが真犯人として浮かび上がってきたという。
 しかし、シリアとの友好関係を盾にアラブ諸国への覇権を広げようと目論んでいたアメリカにとって、ここでシリアとの関係に波風を立てることはなんとしてでも避けたかった。そこで出てきたのが「カダフィを悪者にしてリビアを叩く」という妙案である。アラブ諸国を分裂させるためにもこれは申し分のないシナリオだ。
 そして事態はそのシナリオ通りに進んだ。アメリカによるリビアへの度重なる爆撃で多くの人命が失われただけでなく、「リビアのカダフィ」=国際秩序を乱す「狂犬」「テロリスト」というイメージは“西側諸国”のみならず瞬く間に世界に定着してしまった。
 カダフィに実際に会ったことのある私としては、サリンジャー氏の告白の内容が決して嘘や誇張ではないことがわかる。国際金融財閥の傘下に入らず、独自路線を歩もうとする国が「国際秩序を乱す国」というレッテルを張られるのは、私がこれまで何度も述べてきたとおりである。北朝鮮然り、キューバ然り、イラク然り。私が実際に会ったこれらの国の指導者たちは、皆一様にカリスマ性があり、自国の発展のために確固たる政治思想と信念を持っている人たちだった。思想・信条の違いはあるにせよ、人間的魅力を兼ね備え、リーダーシップを発揮している姿は、さすが一国の指導者と思わせる何かがあった。
  ◆ ◆ ◆  

 体、西側諸国のいう「国際秩序」というのは、誰のための、何のための秩序を指すのだろうか。サリンジャー氏の前書きは、事情に精通した当事者の、いわば「内部告発」と言える。権力の中枢に入れば入るほど、何か目に見えない大きな勢力がホワイトハウスを牛耳り、大統領を操っていることに彼はきっと気づいたに違いない。世界はアメリカとソ連という二大大国のパワーバランスの上に成り立っていると信じて疑わない、使命感あふれる大統領補佐官が、その対立しているはずの勢力同士が実は裏でつながっているのではないかと確信するまでに、さほど時間はかからなかったと思われる。
 補佐官としての日々の任務の中で、世界の金融市場やマスコミ、そして各地の紛争・戦争までもが人為的に操作されていること、それによって天文学的な富の集中と独占を進める集団がいることを知るに至ったことは想像に難くない。ホワイトハウスではあらゆる政策がその集団の周到な計画に基づいて実行されているのだ。
 かつての湾岸戦争も10年計画で準備されている。武器の売買で上がる莫大な利益のシミュレーションに始まり、そのための原料と生産拠点の確保、生産計画の立案、在庫でだぶついている余剰武器の試算(湾岸戦争の時は枯葉剤が「在庫一掃」として使用されている)、果てはリストラと称したマスメディアの経営陣の入れ替えなど、その準備は大掛かりである。
 サリンジャー氏だけでなく、これまで多くのホワイトハウスの住人たちがこの現実に気付いてきた。そして政治・経済・マスコミといったすべての分野で、網の目のよう にその特定集団の権力が張り巡らされていることに途方もない無力感と恐怖を覚えたに違いない。
 私が思うに、あのケネディ大統領はそのことにはっきりと気づいていたと思う。もっとも暗殺というかたちで志半ばで凶弾に倒れた彼に、そのことを確かめるすべはないのだが…。
 力の中枢にいたサリンジャー氏のような人が勇気をもって真実を明らかにしたことを知り、私は未来への光明を見出したような気持ちになった。ウィーンでの数多くの貴重な出会いを通じて、私は21世紀を目前に大きく動こうとしている時代の胎動を感じた。
 遠く異国の地でこれまでの人生を過ごしながら、まるで長い時を共有してきたかのように瞬く間に心を通わせることができる、そんなひとときに感じ入りながら、「世界はひとつ」との思いを新たにしたのだった。
 この世での富や名声ではなく、自分の良心に従って今生での使命をまっとうしようとする人たちが、世界平和への思いをひとつにしていくことができればきっと世界は変わるに違いない。


◆トピックス◆
『小渕政権誕生で進む日本の弱体化』

 ィーンから戻ってきてまもなく日本では参院選、自民党総裁選、新政権の組閣が行われた。それはウィーンでの識者たちとの交流から一転、世界のレベルからはあまりに隔絶した茶番劇だった。
 投票率の増加、総理候補者への世論調査からみて、時代を大きく転換させるような変化を国民が政治に求めたのは明らかだった。何度も期待を裏切られながら、それでも緊迫した時代背景がなにがしかの変化をもたらしてくれるかも知れないという国民の淡い期待は見事に裏切られた。この大切な時期に今だ派閥の論理で大臣のイスを融通しあうなどという「先進国」は、日本くらいのものであろう。

 今回の組閣の目玉は何といっても大蔵大臣である。宮沢喜一という人は世界制覇を目論む権力の中枢日米欧三極委員会のメンバーであり、彼らのエージェントとして日本を彼らの手に売り飛ばす任を負った人である。(詳しくは「闇の世界権力構造と人類の針路」をご覧下さい。)
 その証拠に彼はバブルの発生から崩壊、その後の不良債権・金融機関の処理という一連の流れのなかで、常に政策決定の中心に座してきた。巷では「財政・経済に強い宮沢」などといわれているが、彼の頭の中には国民の血税や年金や資産をいかに国際金融財閥に差し出すかしかないように見える。
 住専処理の6850億円の財政支出はその額の大きさと根拠の不透明さで物議を醸したが、今や10兆円、30兆円、果ては堺屋経済企画庁長官の100兆円の単位で緊急経済対策が議論される時代になってしまった。膨大な借金を背負わされる日本はこれからどうなるのであろうか。
 は日本の弱体化はこれから徹底的に進められるだろうと思っている。円安・株安・債権安のトリプル安、金融ビッグバンで国際競争力を失う日本の金融機関、1200兆円といわれる日本の潤沢な個人資産を狙った外資系金融機関の日本進出、どれをとっても日本解体を象徴している。あからさまな日本つぶしがもうすでに始まっているのだ。
 例えば、2ヶ月前に南アフリカに行った時、走っている車のほとんどが日本車なのに驚いた。しかしその南アフリカでつい先日、日本車の輸入規制が決定され、年間1000台しか輸入できなくなったという。これは何も南アフリカに限ったことではない。世界各地で日本企業や日本との合弁企業の製品のキャンセルが相次いでいる。
 これは「技術立国日本」つぶしといっていい。日本は戦後、その国民性でもある勤勉さと手先の器用さ、創意工夫への飽くなき探究心で高品質の製品を世界に送り出し、モノづくりに長けた国として驚異的な戦後復興を遂げてきた。その技術立国、経済大国への挑戦が始まっているのだ。島国でかつ平和ボケした日本人の知らないところで、「日本包囲網」は着々と張り巡らされているというのが私の実感である。
 おそらくこの「日本包囲網」は日本が無条件降伏するまで続くであろう。具体的には日本がIMF(国際通貨基金)の支援を要請するまで、である。IMFは国際金融財閥の私的な基金であり、この支援を受けるということは、一国が丸ごと彼らの手中に収められ、骨抜きにされることを意味する。金融的自由、政治的自由と引き換えに「支援をするのがIMFというものだからだ。
 回の新政権の発足でその準備は整った。経済再生の免罪符のもと、日本の財政・金融は無秩序を極め、国民は多大な負担を強いられることになるであろう。かつて驚異的な経済成長で国力を蓄えてきた韓国やタイ、インドネシアがあっという間にIMFに組み入れられてしまったように、日本もこのままでは彼らと同じ運命を歩むことになる。
 私は、日本はもっとアジアの一員としてアジアの平和と独立のために貢献すべきだと思う。例えば中国。中国には13億の人口と豊富な人材が揃っている。これらと日本の技術力、経済力が合わされば強力な経済圏が出現する。
 7月にクリントン大統領が中国を訪問して、積極的なパフォーマンスを披露したが、あれはアジアの団結、特に日中関係を牽制した動きであった。アメリカの対中政策ひとつとっても、国際金融財閥が中国という大国の行く末をいかに脅威に感じているかがわかる。  恐らく日中関係が深まれば深まるほど、その関係を断ち切ろうとする動きが活発化してくるに違いない。日本はその情勢をしっかりと見極めながら、今こそアジアのリーダーとして役割を果たすべきではないだろうか。
れにはもはや政府に頼っていてはならない。残念ながら政官財の主要メンバー、そしてその周辺にいる文化人たちは、その何れもが持ちつ持たれつの輪のなかでそれぞれの分け前にあずかり、腐れ縁でつながっている。これからはこうした腐れ縁のない人たちが民間外交、民間プロジェクトに積極的に出てくる時代であろう。
 アフリカ・中東・中南米の国際的な民間プロジェクトが素晴らしい成果を上げているように、日本から志の高い国際人が数多く生まれることを願うばかりだ。そのために私が知り得たことを伝えるのは私の使命と心得ている。


●コラム◆ 日本人に生まれるということ
 国際政治とか外交というと何だかとても堅苦しく、難しいイメージがある。そこでは現実的な問題が、専門家たちによって如才なく話し合われている、そんな印象があるのではないだろうか。しかし、実際は案外、魂の話や人間存在についての話が出たりするものだ。
 先日も中国の高官と話をしていたら話題が自然と輪廻転生へと移り、「唐の時代にもお目にかかってますね」というような会話がごく自然に交わされた。
 私が現在もっとも心を砕いている南北朝鮮の問題にしても、本来敵対するような国同士が心をひとつにして両国の発展のために力を尽くし、また両国もそれに応えて絆を深めあっているという、マスメディアを通じて確固たる世界観を持っている日本人には信じられないような信頼関係が築き上げられつつある。
 それは、天の采配が働いているとしかいいようのない出会いと相互理解の上に成り立っている。その見事な采配は私たちが天上の世界では一心同体なのだということを確信させるに余りある。

 今この時代に日本人に生まれてくることは決して偶然ではない。輪廻転生を信ずる私としては、相当のトレーニングを積んだ魂がこの時代に日本に生まれ、これからの精神文明の世紀をリードしていくと思っている。相手を非難したり、否定したりするところに相互理解は生まれない。
 また富や名声といった移ろいやすいものをいくら手にしても幸せになれるものでもない。大切なのは相手の仏性、神性を信じ、それに向かって根気よく訴えかけていくことだ。
 人類が物質文明にまみれて失ってしまった霊性を取り戻す役割を負った魂が、この日本にはたくさんいる。そんな魂が「光の天使」となって、世界中の魂の友と手を携えて新しい時代をつくっていくことを夢見ている。


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